騙されてはいけない!就職偏差値ランキングの本当のトコロ
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あなたが転職活動をする時に、企業情報を集める情報にはどんなものがありますか?
- 企業口コミサイト(OpenWork、転職会議、カイシャの評判 etc.)
- 企業HP
- エージェントからの提供情報
- 各掲示板サイトの情報
こんなところでしょうか。
この中で、特に4つ目の掲示板からの情報で人気のコンテンツとして、「就職偏差値」というものがあります。
就職偏差値ってどんなもの?
これは、企業の入社の難易度を数値化したものを指します。また、その数値をある程度サマリー化し、ランク毎に分けているようなものも見受けられます(Sランク、Aランクというような具合で)
大学の偏差値などと同様、早い話が難易度の高い企業に入れればドヤ顔したい、という掲示板特有の傾向が顕著に出ているコンテンツとも言えます(笑)
新卒の就職時だけでなく、転職時にもこれを参考にして、できるだけ偏差値の高い企業に行きたい!、と願う人は今も多くいるそうで、エージェントとの面談にその偏差値情報を持ち込んで来る人もいるというから驚きです(エージェントのアドバイザー談)。
人間はやはり名誉欲の強い生き物だと痛感させられます。
就職偏差値は信じてもいいのか
ダメです(笑)
就職偏差値を決めるにあたっては、2ch就職版の情報を基に、社員や内定者の学歴、応募倍率、企業の知名度、人気度などで決定しているようです。これってつまり、対外的に公表されている情報ばかりで実態はほとんど考慮されていないものと言えます。楽天が出しているIT業界新卒就職ランキングと大差無いのです。
転職理由というのは人によって様々ですが、就職偏差値の高い企業に行けば、前職では満たされなかったものが満たされますか?あなたの転職しようと思った現職での不満が解消されなければ、いくら就職偏差値の高い企業に行っても意味がないはずです。
就職偏差値ランキングの管理者側でも
正確性・最新性・有用性等その他一切の事項について、いかなる保証をするものではありません。
とありますので、あくまで参考情報の一つとして見てください。
就職偏差値ランキング
IT業界の最新の就職偏差値ランキング(ランク別に分けたもの)は以下のとおりです。
他にも様々な切り口のランキングがありますので、あくまで参考程度にご覧ください。
━A+ランク(ハーバードクラス) ━
Oracle Cisco SAP━Aランク(東大クラス) ━
NTTデータ 日立製作所━A-ランク(京大クラス) ━
日本IBM NTTコミュニケーションズ 野村総研(NRI) 富士通━B+ランク(東工大・一橋大クラス) ━
アクセンチュア NEC 日本HP━Bランク(地方帝大・早慶上位クラス) ━
新日鉄住金ソリューションズ(NSSOL) 電通国際情報サービス(ISID) みずほ情報総研(MHIR) 日本総研(JRI) 大和総研(DIR)━B-ランク(国立中堅・早慶中位クラス) ━
三菱UFJインフォメーションテクノロジー(MUIT) ニッセイ情報テクノロジー(NIT) 伊藤忠テクノソリューションズ(CTC) NTTコムウェア 日本ユニシス━C+ランク(国立下位・早慶下位クラス) ━
アビームコンサルティンク JSOL JR東日本情報システム(JEIS) 日立システムズ(HISYS) 日立ソリューションズ(HISOL) 農中情報システム━Cランク(マーチ上位クラス) ━
NECソリューションイノベータ SCSK 東洋ビジネスエンジニアリング フコク情報システム(FIS)━C-ランク(マーチ中位クラス) ━
TIS オージス総研 富士通エフサス シンプレクス タタコンサルタンシービジネス 東京海上日動システムズ━D+ランク(マーチ下位クラス) ━
オービック 三菱UFJトラストシステム 三菱総研DCS 兼松エレクトロニクス 都築電気 日興システムソリューションズ キャノンITソリューションズ━Dランク(ニッコマ上位クラス) ━
NKSJシステムズ インフォコム セゾン情報システムズ 日商エレクトロニクス コベルコシステム IIJ ネットワンシステムズ パナソニックインフォメーションシステムズ 菱化システム JRシステム 富士通システムズイースト 東芝ソリューションズ 富士通FIP━D-ランク(ニッコマ中位クラス) ━
ユニアデックス NECネッツエスアイ 日立産業制御ソリューションス ゙ 三菱電機インフォメーションシステム MS&ADシステムズ NTTソフト NTTアドバンステクノロジ JFEシステムズ テクマトリックス 三井情報 第一生命情報システム ソニーグローバルソリューションズ ワークスアプリケーション
ここがヘンだよ 就職偏差値ランキング
就職偏差値ランキングは、一つのエンターテイメント的コンテンツというか、ゴシップとして話の種にするには全然構わないですし、面白いと思うのですが、就職や転職の参考にするとなると色々突っ込みどころがあります。
細かいところを言い出すとキリがないので、実態に即した情報を踏まえ、上位から触れていきますね。
Oracle・SAPがここに入るのがヘン
このランキングに入っているのってほとんどSI・ハード販売もしくはその両方をやっている企業ばかりなんですが、Oracle・SAPはあくまでソフトウェア会社という位置付けです。他の企業とちょっと位置付けが違うと思います。
もしこれらの企業を入れるのなら、ここにMicrosoftが入ってこないとおかしいです。Microsoft、Oracle、IBM、SAPでソフトウェア会社四天王ですからね。もしMicrosoftを入れるなら、A+の上にS or A++などのランクを作って、そこに入れることになると思います。
NTTデータと野村総研(NRI)にランク差があるのがヘン
世間的にはNTTデータの方が知名度があるのはわかるけれど、実態としてはこの2社に大した差はないはずです。
- NTTデータは大規模開発、NRIは高難度開発に強みを持つ
- NTTデータは安定でホワイト、NRIは激務だが高収入
など特徴の違いはありますが、これはあなた個人がどの軸を大切にするかで評価が変わる部分であり、総合的に見れば会社のランクとして差がつくということはないはずです。このランキングでは知名度の点でNRIが下がっているのでしょうが、両者を比べた時に『NTTデータの方がランクが高いからこっちにしよう』なんて選び方はナンセンスですので、ご注意ください。
富士通と日立製作所が高すぎるのがヘン
日立製作所がAランク、富士通がA-ランクとあるのですが、ものすごく違和感があります。両者ともかつては強かった企業ではあるのですが、現在の凋落ぶりは目も当てられない惨状です。もはやこれからの時代生き残っていく力が失われている企業代表とも言えます。
強いてこのランキングに当てはめるなら
- 日立製作所→A-
- 富士通→B+
くらいが妥当なラインでしょう。間違っても、『Aランクだから日立製作所!』なんて選び方をしてはいけません。
アクセンチュアが低すぎるのがヘン
アクセンチュアは近年急激に規模を拡大しており、SAPを中心としてIT・デジタル案件を広くカバーしています。今や大手SIerを食ってしまう勢いで伸び続けているため、NECと同格というのはどう考えてもおかしいです。NTTデータと同格にするのはまだ早い気もしますが、A-には入れて良いでしょう。そのうちNTTデータも食われてしまうかも…
ただし、大量採用の弊害で全体のレベルが落ちてきています。特に女性マネージャーを担ごうとしすぎている傾向があり、この方針を以てしてもなお、今の勢いが続くかどうかに注視する必要はあります。
Bランク以下の準大手・中堅SIerの比較は超高難度
具体的には、B~Cレンジに入ってくる企業のことです。(中にはちょっと性格が違うものもありますがざっくりいきます。)
表だけ見ると上は地方帝大・早慶上位で、下はマーチ上位なのでかなり差があるように見えますが、これらの企業を統一的・定量的な基準を設けてランク分けするのってかなり難しいと思います。
━Bランク(地方帝大・早慶上位クラス) ━
新日鉄住金ソリューションズ(NSSOL) 電通国際情報サービス(ISID) みずほ情報総研(MHIR) 日本総研(JRI) 大和総研(DIR)━B-ランク(国立中堅・早慶中位クラス) ━
三菱UFJインフォメーションテクノロジー(MUIT) ニッセイ情報テクノロジー(NIT) 伊藤忠テクノソリューションズ(CTC) NTTコムウェア 日本ユニシス━C+ランク(国立下位・早慶下位クラス) ━
アビームコンサルティンク JSOL JR東日本情報システム(JEIS) 日立システムズ(HISYS) 日立ソリューションズ(HISOL) 農中情報システム━Cランク(マーチ上位クラス) ━
NECソリューションイノベータ SCSK 東洋ビジネスエンジニアリング フコク情報システム(FIS)
もしあなたが、この中にあるような企業を狙っているのであれば、このような対外的な物差しに惑わされることなく、転職活動において自分が大事にしたいもの(年収・労働時間・仕事内容、やりがい・社風 etc.)が得られるかどうかを軸にして、選ぶようにしてください。
まとめ
ここまででご紹介したように、IT企業ランキングとか、就職偏差値ランキングとかの類のものは、大体の場合思い込みやイメージで語られている部分も大きいものです。
新卒の就職活動は、就労経験のない人たちが取り組むものなのでこういうものを指標にする気持ちはわからないでもないです。(友達に自慢できるとか、親に喜ばれるとか色んな要素が入りますからね…)
ただ、転職においては、何年かの経験を経て不満を解消するためにするものですから、こういった情報だけに惑わされず、様々な情報源から情報を集め、真偽を確かめながら、自分にとってより良い企業を選ぶようにしてください。
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