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求人票の正しい見方とは?チェックポイントと裏事情考察

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転職活動時、あなたが応募企業を選ぶ時には、企業が出している『求人票』をチェックすることになります。これには、業務内容、求める人物像、スキルセット、待遇、勤務条件といった、あなたが応募企業を選ぶにあたり、その企業が自分にふさわしいかどうかを見定めるのに必要な情報が掲載されています。

この求人票を熟読し、内容を理解した上で選考を受けないと、面接時に面接官と話が噛み合わなくなったり、入社してから「こんなはずじゃなかったのに…」と後悔する羽目になります。蔑ろにしてはいけないステップです。

今回は、求人を選ぶ上で欠かせない求人票の見方についてご紹介したいと思います。

 


求人票を見る上で気をつけること

具体的な求人票の内容を確認していくる前に、皆さんにお伝えしたいことがあります。それは、『求人票だけ情報源にしてはいけない』ということです。

求人票を出しているのが転職エージェントでも、転職サイトでも、ハローワークでも、求人票は各社・各組織毎に決まったフォーマットに則って、企業側から提供された情報を基に作成していきます。

共通していることは、『求人票の情報だけでは、企業の事も求人の事も、表面的にしか理解できない』ということです。

 

企業側は、その求人票を見た求職者が、自社の求人に応募してきてくれることを当然期待しています。つまり、できるだけ見栄えの良い事を書きたいわけです。求職者側から見ると、求職票の情報を確認しただけでは企業の内情を窺い知ることができず、ミスマッチが起こるリスクがあるのです。

例えば、「求人票で【出張なし】と謳っているのに、入社後頻繁に出張している」とか、「【残業代支給】と書かれているのにみなし残業制だった」とか「名古屋勤務と聞いていたのに東京勤務だった」とか、いうのはよくある話です。こんな不幸な事態を避けるために、以下のような対策を取ってください。

  • 転職エージェントを利用し、キャリアアドバイザーに企業情報の提供を受けた上で応募する
  • 企業口コミサイトを利用して、内情を把握した上で応募する
  • 面接の際、面接官に直接尋ねる

 

チェックポイント1:職種の「名称」に惑わされないこと

求人票を上から順に見ていくと、「募集職種」を記載する欄が必ずあります。IT業界で言えば、「システムエンジニア」「アプリケーションエンジニア」「プロジェクトマネージャー」「○○コンサルタント」というような記載の仕方をします。

募集職種欄を読むにあたって厄介なのは、同じ仕事をする職種でも、企業によって名称が違ったり、逆に全く異なる仕事内容のなのに職種の名称は同じだったりすることです。

 

中でもありがちなのは、「システム(IT)コンサルタント」と聞いていたのに、実際には開発プロジェクトのPMOしかやっていないとか、システムエンジニアと聞いていたのに超上流のコンサルタント的な仕事をバリバリさせられるとか、プログラマーと聞いていたのにただのテスターだとか…そんな話です。

反対に、業務内容的には自分のやりたい仕事なのに、職種の名称が予想だにしない呼称だった、なんてことも有り得ます。ですから、募集職種の名称はあくまで参考情報ということで、詳しくは業務内容の欄できちんと確認するようにしてください。

 

チェックポイント2:業務内容

最大のチェックポイントはココです。業務内容という項目欄には、あなたがその求人を出している企業に入社した場合、どんな仕事をしてもらいたいか、ということが記載されています。特にキャリアアップを目的にしている人にとっては、最も重要なポイントになるでしょう。

しかし、記載の粒度は企業によって様々です。かなり詳細に記載している企業もあれば、ぼんやりした記載でよくわからないという企業もあります。読んでもよくわからない場合には、キャリアアドバイザーなり、企業の担当者なりに確認し、よく内容を理解した上で選考を受けてください。

 

※注意ポイント※

転職エージェント経由の応募に限り、業務内容の記載レベルによって、転職エージェントと求人を出している企業の連携度、距離感を測ることができます。

転職エージェントは、あなたのような求職者だけでなく、求人を出す企業の担当者とも会話をしており、「求職票はこのように書くと良い」とか「この点をアピールした方が良い」「この人材を求めるなら、オファー年収はこれくらい出さないと応募が来ません」等、企業側にも様々なアドバイス、サポートを行っています。

転職エージェント経由で求人を出しているにも関わらず、求人票の書き方がいまいちな企業は、転職エージェントと距離感がある可能性があります。即ち、求人票の他の項目の内容と、実態のズレが発生するリスク性も高くなるのです。

 

チェックポイント3:雇用形態

ここまで確認してくると給与・待遇の欄をを見たくなりますが、ぐっと我慢して先にここ!雇用形態を必ずチェックしてください。

雇用形態:「正社員」「パート」「契約社員」というように明記されていればよいのですが、「契約形態:有期」というような記載をしている企業もあります。有期」は「契約社員」、「無期」は「正社員」と言う意味ですので、認識に間違いがないか必ず確認して下さい。

それから、ここで試用期間についても確認します。大抵3ヶ月~6ヶ月程度のところが多いです。試用期間中だけは契約社員扱いになるなど、企業によって様々です。よくわからない書き方をしていれば、面接の際に面接官に確認しましょう。

 

チェックポイント4:給与

おまたせしました!当然ですがここも重要ポイントですね。特記なき場合、求人票に記載されている給与は、月々の額面の金額です。所得税、住民税、雇用保険料、健康保険料etcがここから控除されます。手取りの金額は額面いくらもらえるかによるのですが、参考として、大体以下のようになると考えてください。

  • 額面20万/月→手取り16万/月
  • 額面30万/月→手取り24万/月
  • 額面40万/月→手取り31万/月
  • 額面50万/月→手取り38万/月

もし、あなたが個人的に、給与天引で確定拠出年金や財形貯蓄等に加入していれば、更に手取り額は低くなります。上の参考金額から、月の手取り額が如何程になるかを考えてみてください。

 

給与形態の種類

給与形態は企業によって様々です。求人票を見た時に意味が理解できるようにしておいてください。

 

固定給

固定給とは、その名の通り毎月決まった金額が支給される形態です。仮に、「○○手当あり」と記載されていても、固定給ならばそれらの手当も内包した金額が掲載されているはずです。

この形態で残業がとても多かったりすると、残業代も固定給に含まれているはずなので、損をするかもしれません。疑問点があれば、キャリアアドバイザーや面接官などに訪ねましょう。

 

基本給(+賞与)

ごく一般的な給与形態です。基本給は、一般的には手当類は含まれておらず、家族手当、住宅手当、時間外手当、役職手当などが記載されていれば、基本給とは別に支給されます。あなたがもしも、その企業の内定を獲得し、オファーを受け取る場合には、手当を含めた想定オファー年収が示されるはずですので、実際手にする金額はどの程度なのかを確認しましょう。

 

年俸制

外資系企業だとよくある形態です。この形態の場合、事前(多くは前年)に次の1年間に支払われる給与を決定し、12分割した給与が月々支払われます。日本の労働基準法では、毎月1回以上は必ず給与を支払わなければならないと定められているため、支払いは月毎になります。具体的には以下のようなイメージです。

 次年度の年俸の場合 → 600万円 ÷ 12ヶ月 = 50万円/月

年俸制と月給制の相違点は、年俸制が事前に過去1年間の働きを評価して向こう1年間の賃金定めるのに対し、月給制は賞与の金額が、企業の業績や社員個人の成果によって、当年1年間の間に変動することです。

 

残業代の扱い

どの企業のどんな求人票を確認するにしても、残業代をどう扱っているかは気になるところですよね。月額(もしくは年俸)の賃金に「残業代を含む」と有るか否かです。

「残業代を含む」と言う記載がったら即NGというわけでは決してありませんが、どの程度の残業を見込んだ金額を含んでいるのかについては、確認する必要があります。

 

また、同様の例で「固定残業代」という表現にも注意が必要です。これは、予め残業代を「30時間分」などと仮で決めてしまい、その分の残業代を毎月固定で支払うものです。この場合、実際の残業時間が30時間を下回ったとしても、30時間分の残業代が支払われることになります。この場合は得していますね。

問題はこ実際の残業時間が30時間を上回る場合です。この時、追加の残業代が支払われるのか、そもそも30時間という残業時間の根拠は何なのかなど、確認しておく必要があります。

 

記載年収のレンジ広すぎ問題

求人票の待遇・年収などの記載でよく見かけるのが、月給30~50万とか、年収500万~800万とか、年収450万~とかいう表記です。ちょっと大雑把すぎでは?と思われたかもしれませんが、企業側がそれだけ幅広く人材を探している証拠でもあります。

この場合は、求人票の想定年収額はあくまで参考に留めておき、キャリアアドバイザーや面接担当者に尋ねたり、企業の口コミサイトで探るなどして、具体的な金額を把握してください。

 

チェックポイント5:勤務体系・勤務時間

勤務時間の項目では、9時~18時00分(実働8.0時間)といったように、基本の勤務時間が示されています。ただし、あなたに適用される勤務体系によっては、この勤務時間が該当しないこともありまる。

 

たとえば、フレックス・タイム制を採用している企業では、勤務の開始と終了の時刻は決まっておらず、勤務時間は自由です。コアタイム(この時間は必ず勤務していなさい、とう時間)が決まっている場合は、それに従う必要があります。例えば、コアタイムが【10時~15時】なら、その時間だけ勤務する、というようなことも可能です。

また、フレックス制の場合、所定の労働時間を超過した分は、残業代が支払われます。

 

一方、変形労働時間制や裁量労働制を導入している企業や職種の場合、所定の労働時間を超過しても、残業扱いにならないケースがあります。

『変形労働時間制』とは、1ヶ月、もしくは1年の単位で、労働時間を算出する勤務体系です。時期によって繁閑の差がある大きい職種の場合、人件費を圧縮するために変形労働時間制が採用されることがあります。

 

もう一方の『裁量労働制』とは、時間の使い方を完全に社員の判断に任せる、という制度です。この場合は、成果さえ出せれば勤務時間等は完全に自由になり、より柔軟な働き方が可能です。

この制度を適用することができるのは、労働時間よりも成果で判断する方が適切とされている職種に限られています。IT系の技術職はこれに当てはまると決められており、今現在私自身も裁量労働制が適用されていて、かなり自由な働き方をしています。

 

チェックポイント6:休日休暇

休日の記載で注意するべきは、「完全週休2日制」「週休2日制」の違いです。

・完全週休2日制:1週間のうち2日は必ず休み

・週休2日制  :1ヶ月のうち最低1回は2日休み

…全く意味が違うのがおわかりいただけるでしょうか。「週休2日制」と記載されている場合は、どんな休日形態をとっているのか、確認が必要です。

 

参考ですが、カレンダー通りに土日祝日を休日としている場合は、年間休日日数は120日前後です。これより少なく、110日とか100日とかそれより少ない場合は、どこかの土日祝日が出勤日となる可能性が高いので覚えておいてください。

また、リフレッシュ休暇など、長期の休暇制度が整備されているかどうかも、合わせて確認しておきたいところです。

 

その他のチェックポイント

勤務地

勤務地の記載からは、色々企業側の事情を窺い知ることができます。IT業界の場合、

  1. 自社開発(請負含む)
  2. 客先常駐
  3. SES派遣

の3つに大きく分けられます。このうち、勤務先が「自社オフィス」と記されている場合は、1の可能性が高いです。同様に、「お客様オフィス」と記載されている場合は、プライム契約の客先常駐で2の可能性が高いでしょう。また、「東京23区又は首都圏」のような、ボカして書いてある場合は、大方3です。

あなたが転職後どのような働き方をしたいかによって、ここの良し悪しの判断は変わってくると思います。よく確認しましょう。

 

保険関係

社会保険には、雇用保険、労災保険、厚生年金、健康保険の全4種類あります。福利厚生欄等に「社会保険完備」という記載があれば、この4つが揃っていますよ、という意味です。逆にこの記載がなければ、どの保険には会社側で手続きをしてもらえるのか、か、またどれは自分で加入する必要があるのかを確認してください。

有給

有給制度は、IT業界では特にブラックボックスになりやすいところです。制度があるのは当たり前ですが、どの程度取得されているか、入社初年度は何日取得できるのか、次年度への持ち越しが可能か、など要チェックポイントです。

また、面接官には確認できることではありませんが、中には平日に有給を取得させ、代わりに土日に出勤させている(有給取得率を高くするため)というようなアホなことをやっている企業もあります。この辺は、エージェントに聞いてもなかなか掴みづらいところなので、企業の口コミサイトなどから情報を得てください。

賞与

賞与の欄は、大体前年度の実績が記載されています。つまり、あなたが入社した年の賞与額は、今年の業績に因って決まるということです。IR情報から、今年度の四半期・半期の業績を確認し、昨年度と比して大きく下がっていたり、数年間の業績が右肩下がりになっていて、賞与が下がったりすることがないかどうかを確認してきましょう。

備考や特記事項

この欄に職場の雰囲気や求める人材像の他、少しばかり都合の悪い内容がしれっと書いてあったりすることもあります。内定を獲得に役立つ情報や、企業選定するための情報が記載されていることもあるので、スルーしてしまうことのないようにしてください。

 

まとめ

いかがでしたか?

求人票を見る際には、確認すべき点がたくさんあることがおわかりいただけたでしょうか。隅々まで読み、疑問点はできるだけ解消した上で、面接や内定後の企業選定を行えるようにしてください。

 

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